シロアリが避ける植物8選!家庭菜園に適した植物から住宅建材として使えるものまで紹介
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☆一般社団法人埼玉県ペストコントロール協会、感染症予防衛生隊
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☆建築物ねずみ昆虫等防除業登録の有る
”すぐくる”総合リビングサービス株式会社の
防除作業監督者で代表取締役の”高橋”が筆者です!
(”すぐくる”総合リビングサービス株式会社 高橋)
シロアリ対策として、シロアリが嫌う植物を植えることで、シロアリが寄り付かなくなるのではないかと考える方も多いかもしれません。
確かに、シロアリが避ける植物や樹木がいくつかありますので、住宅の新築時や庭作りの際に取り入れるのも一つの方法です。しかし、植える際には注意すべき点や予防効果に関するリスクもあるため、それらについてもわかりやすく解説します。
また、確実な効果はないので、本格的な予防はプロの薬剤を使いましょう。
シロアリが避ける植物や木材の特徴
シロアリは特定の植物や木材を避ける傾向があります。シロアリが嫌う植物や木材は、以下のいずれか、または両方の特性を持っていることが特徴です。
シロアリが食べにくい性質の木材である
1つは、シロアリが容易に食べることができないような木材の特性を持っていることです。硬い木材はシロアリが食べ進めるのに時間がかかり、そのため食害が進行しにくい傾向があります。反対に、住宅建材としてよく使用されるマツのような柔らかい木材はシロアリにとって好まれやすいです。
さらに、シロアリは木材に含まれる水分を頼りに移動し、食害を進めるため、水分が少ない木材や耐水性の高い木材、または乾燥して湿気が少ない木材にはシロアリが近づきにくくなります。特に、ヤマトシロアリは水を運ぶことができないため、この傾向が強くなります。しかし、イエシロアリは水を運ぶ能力があるため、乾燥した木でも問題なく、アメリカカンザイシロアリのように、もともと乾燥した木を好む種類も存在します。
シロアリが嫌う香りや成分が含まれていること
もう1つの特徴は、シロアリが嫌う香りや防虫成分が含まれていることです。例えば、着物を保管する際に桐のたんすが使われるのは、桐に自然な防虫成分が含まれているからです。同様に、シロアリが嫌う香りや成分を多く含む木材や植物は、シロアリが近寄りにくくなります。
ただし、木材の外側部分である辺材と中心部分である心材では、シロアリの食害されやすさが異なります。通常、木の中心部分は防虫成分を多く含み、木質も硬くなるため、シロアリに食害されにくくなります。
シロアリが嫌う植物の香り2種類
では、実際にシロアリが嫌う成分を含んだ植物にはどのようなものがあるのでしょうか。家庭菜園や庭木として育てられる植物や、アロマオイルとして手に入れやすいものを中心に、2種類を選んでご紹介します。
・ハッカ
虫よけハーブとしてよく知られているハッカは、シロアリにも効果的な忌避作用を持っています。「メントール」という爽快感のある香りの成分は、シロアリを含む多くの昆虫にとって不快であるとされています。ハッカは自宅で種や苗を使って簡単に育てることができ、繁殖力が強いため、初心者でも育てやすい植物です。
日本ではハッカと呼ばれていますが、英語ではミントとして知られています。ミントはシソ科ハッカ属に属する植物の総称であり、ハッカはその一種です。しかし、市販されているミントと比べると、ハッカの方がメントールの含有量が高いため、シロアリ対策にはより効果的です。
シロアリ対策としては、家の周りに植木鉢でハッカを育てるのが効果的です。また、直接育てるのではなく、精油と精製水を使ってハッカ油を作り、それを虫よけスプレーとして散布する方法もおすすめです。
・シナモン
シロアリは料理で使うシナモンの香りも嫌います。シナモンには「オイゲノール」や「シナムアルデヒド」といった防虫成分が含まれており、これがシロアリに対して効果があります。
実際、シナモンを有効成分に含んだシロアリ用の忌避・殺虫スプレーが市販されており、日本でも利用されています。また、シナモンは観葉植物として自宅で育てることができ、光沢のある葉を持ち、背も高いため、見た目にも美しいです。
シナモンはクスノキ科に属する植物で、クスノキには防虫剤として知られる「樟脳(しょうのう)」という成分が含まれています。クスノキは学校や神社、公園などに植えられ、成長して大きくなるため、日本国内でも目にする機会が多い植物です。
シロアリが嫌う木5種類
次に、シロアリが嫌う木材を5つ紹介し、それぞれについて解説します。住宅建材を選ぶ際に悩んでいる方や、自宅の建材がシロアリにとって好まれるかどうかを知りたい方に役立つ情報です。
・ヒバ
ヒバは、ヒノキと同様に「ヒノキチオール」という防虫成分が豊富に含まれており、シロアリを効果的に防ぐ特性を持っています。
しかし、ヒバと一言でいっても、すべてのヒバが同じ効果を持つわけではなく、特に国産のヒバ、特に青森産のヒバに多く含まれるヒノキチオールが重要です。さらに、ヒバはシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを分解・除去する特性もあり、健康面でも優れた効果を発揮します。腐食に強く、住宅建材としての耐久性も高い優れた木材と言えるでしょう。・
・ローズウッド
ローズウッドは、他の木材に比べて非常に硬い性質を持つため、シロアリによる被害が進行しにくい点が特徴です。その名に「ローズ」が含まれる通り、やや赤みがかった美しい色合いを持ち、家具や住宅建材として高い人気を誇っています。
さらに、ローズウッドにはシロアリが嫌うテルペン類の香り成分が含まれており、シロアリを寄せ付けにくい点も特徴です。その防虫効果は、ヒノキやスギと比較しても非常に優れています。
・ヒノキ
日本で高級住宅建材として人気のあるヒノキには、シロアリが嫌う「ヒノキチオール」や「αカジノール」といったテルペン類の成分が含まれています。ただし、ヒノキチオールの含有量は青森ヒバの方が多いため、シロアリ対策の効果としては青森ヒバの方が優れています。
さらに、ヒノキは産地によってシロアリへの耐性が異なります。シロアリ対策を目的とする場合は、北部産のヒノキや福島、長野産のヒノキが適しています。これらの地域のヒノキは高温多湿になりにくい環境で育つため、耐性が高い傾向があります。ただし、これらの産地であっても、春材のヒノキは秋材に比べてやわらかく、シロアリに狙われやすい場合があるため注意が必要です。
・スギ
スギはヒバやヒノキと同様に防虫効果が高い木材として知られています。日本の住宅建材としても広く使用されています。特に木の中心部分である心材は硬質で、シロアリによる被害を防ぎやすい特徴があります。
ただし、ヒノキやスギは、生木を住宅建材に加工する際の高温乾燥によって、防虫成分が失われる場合があります。その結果、シロアリ対策としての効果が期待できない建材も少なくありません。
スギもヒノキと同様に、柔らかい春材はかえってシロアリに狙われやすいという弱点があります。
・チーク
チークは非常に硬くて頑丈であることから、シロアリにとって好まれにくい木材です。さらに、耐水性に優れているため湿気を抑えやすく、シロアリが住みにくい環境を整えるのに適しています。
チークは世界三大銘木の一つとして知られ、その美しい木目と色合いが特徴で、建材や家具などにも広く利用されています。しかし、過去に大量に伐採されたため、現在では流通量が減少しており、自然保護の観点からも取り扱いが制限されています。そのため、チークは非常に高価な建材となっています。
シロアリが嫌う植物を設置する際の注意事項
シロアリ対策として、シロアリが嫌う植物を設置したり利用したりする場合には、いくつか注意すべき点があります。購入前に確認しておくことが大切です。
・シロアリはあらゆる種類の木材を食べる
ヒバやヒノキなどの木材はシロアリが苦手とされますが、全く食べられないわけではありません。そのため、たとえ家全体がヒノキで建てられていても、シロアリ被害のリスクが完全になくなるわけではないことを理解しておきましょう。
苦手な木材であっても、目の前にあればシロアリは食べてしまいます。材質が硬いことで食害の進行が遅くなる場合もありますが、被害そのものがなくなるわけではありません。予防を怠り放置すれば、最終的には他の木材と同様に柱や基礎がボロボロになる可能性があります。シロアリ対策を徹底するためには、専門業者による確実な防蟻処理が必要です。
・確実な効果は期待できない
ハッカやニーム、シナモンなど、防虫成分を含むハーブや樹木はさまざまありますが、それらを植えたとしても、シロアリを完全に防げるわけではありません。
シロアリの好む木材が多く使われている家と、苦手とする植物や木材が多く使われている家が隣り合っている場合、前者が先に食害される可能性が高い程度の違いに過ぎません。また、植物の香りや防虫成分が届く範囲には限りがあるため、いくつか植えただけで家全体を保護することはできません。例えば、庭に植物を植える際にシナモンを取り入れたり、ハーブを楽しむ一環として防虫効果のあるハッカを育てたりするのも良いでしょう。これらは、あくまで手軽にできる予防策の一つとして日常生活に取り入れるのがおすすめです。
植物が庭の環境に影響を与える可能性もある
善意で植えた植物が、庭や周囲の環境に影響を与える場合があるため、注意が必要です。
例えば、ハッカは非常に繁殖力が高いことで知られています。地植えにすると、短期間で庭全体に広がり、他の植物を排除してしまう可能性がある点に注意が必要です。また、屋外で育てると交雑が進み雑草化して本来の目的を果たせなくなる場合や、種が飛んで近隣の庭に影響を与えるリスクも考慮しなければなりません。
ハッカやミントなど、繁殖力が強い植物は地植えではなく植木鉢で育てるのがおすすめです。ただし、植木鉢を多く置きすぎると湿気がこもりやすくなり、シロアリが土を通じて住宅に侵入する原因になることがあります。また、植木鉢の中にシロアリが巣を作る場合もあるため、日当たりの良い場所を選び、数を適度に抑えることが重要です。
シロアリが嫌う植物を置く以外に取れる対策
シロアリ対策として植物を置くことを検討している場合でも、他に自分でできる効果的な方法がいくつかあるため、それらをしっかりと実施してから取り組むのが望ましいです。ここでは、特に効果が期待できる対策を2つ厳選してご紹介します。
湿気を抑える
シロアリ対策の基本は湿気を抑えることです。シロアリは湿気の多い木材を好むため、庭や、家と塀の間の通気性や日当たりを良くし、周囲や床下の湿気を取り除く方が植物を置くよりも効果的です。
庭木の葉が生い茂っている場合は、剪定することで日当たりが改善され、湿度をさらに下げることができます。また、庭の周囲に置いてある植木鉢を片付けることで、土を通じたシロアリの侵入リスクを軽減できます。加えて、新聞紙や廃材などのシロアリの餌になるものを取り除くことも重要です。
また、雨漏りや水漏れもシロアリの侵入を招く原因となるため、定期的に点検することが推奨されます。このように、湿気を減らすための対策にはさまざまな方法があります。まずは家の周囲をチェックし、湿気の原因となる要因がないかを確認しましょう。
定期的に専門業者に点検を依頼する
シロアリ対策として、業者による点検や定期的な予防を怠らないようにしましょう。家の周囲を整理したり、植物を設置したり、市販の防蟻スプレーを使用したりといった自己対策では、完全な効果を期待するのは難しいです。確実な効果が得られるのは、専門業者による予防や駆除だけです。
シロアリの予防は、5年に1度のペースで行うのが一般的です。総合リビングサービスでは予防や駆除のサービスを提供しており、予防施工後5年間以内にシロアリ被害があった場合の無償再施工をアフターフォローとして実施しています。これまでに予防を行ったことがない場合でも、点検を受けることが可能です。点検では、シロアリ被害の有無やリスクの高い箇所の確認、住宅に適したアドバイスを受けることができます。
お問い合わせフォームはこちら https://sugu-kuru.com/contact/
まとめ
シロアリは、防虫成分を含む木や植物、または硬くて食べにくい木を嫌います。シロアリ予防を考える際には、シロアリがそれらを嫌う理由を理解し、それらの植物や木を日常に取り入れることをおすすめします。
ただし、シロアリが嫌う植物は、あくまでシロアリが苦手とするものであり、確実な効果を保証するものではありません。植物や木を設置するだけでシロアリを完全に防げるわけではないため、住宅を守るには最終的に専門業者による予防が必要不可欠です。
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